新生児の生体肝移植に成功

熊本大医学部付属病院が生後13日目の新生児に父親の肝臓の一部を移植する生体肝移植を実施、成功していたことがこのほど明らかになった。生後13日目は、国内の生体肝移植では最年少で、2009年の自治医科大(栃木県)、大阪大などに続き3例目だという。

移植を受けたのは昨年11月2日に大分県別府市で生まれた麻生隼汰(しゅんた)ちゃん。隼汰ちゃんは生後すぐに肝不全と診断され、肝臓の大きさが通常の3分の1程度に萎縮して機能せず、こん睡状態になったため、大分市内の病院から防災ヘリで熊本大医学部付属病院に搬送されていた。


その後、同病院で手術が行われることが決定。同11月15日に、同病院の猪股裕紀洋(ゆきひろ)院長らが執刀を行い、父親の慶一さん(28)の肝臓の一部を摘出して移植した。摘出した肝臓は約200グラムで、これを隼汰ちゃんの体に移植するために98グラムまで削って移植するという難しい手術になった。手術時間は約12時間にも上ったという。

同病院によると、隼汰ちゃんは順調に回復しており、近日中にも退院予定だという。

同病院ではこれまで299例の生体肝移植が実施されており、全国でも5番目に多い。しかし、新生児への生体肝移植は全国でも手術例が少なく、猪股院長は「あきらめている患者への一助になればと思う」とコメントしている。

(熊本人財新聞第7号 file No.2に掲載)