熊本大体育会弓道部 天倉克久くん、浦野智弓さん

47年間指導してきた弓道部の指導者、尾方先生が日本武道連盟から功労賞を受賞した。熊本大弓道部の歴史そのものと言ってもよい指導者から部員たちはいったい何を学んでいるのか。今回は、弓道部を牽引する男女の主将、天倉克久くん(理・3年)と浦野智弓さん(文・3年)を紹介したい。

熊本大弓道部は、現在50人の部員が所属している。大学生の部活動離れが進むなか、経験者・初心者を問わず、多くの新入生が弓道部に入部して求めるものとは何なのか?

岡山から熊本大に入学して、現在3年生の天倉克久主将は、学生ながら弓道3段の腕前。高校時代から弓道部に所属していた同主将は、部を牽引する立場として全体を取り仕切る。

経験者も多い弓道部だが、練習はどのようなことをしているのか聴いてみると「弓道の場合、必要な筋肉は弓道の中でしか鍛えられないと考えており、走りこみや筋力トレーニングなどは行わない」と答える同主将。

主将として意識していることは「自分が一番、楽しむこと。それから、難しいことを言わないように意識している」と天倉君。そして、弓道の面白いところは「うまくいかないところ。どうしたらうまくいかないんだろうと考えて、うまくいったときには本当に嬉しい」と語る。

限られた練習時間の中で、集中力を養っていく弓道部員たち。「尾方先生は、一人ひとりの練習する姿を見ながら、そのときにふさわしいアドバイスをくれる」という浦野智弓主将。「助言どおりに実践すると何らかの結果が出る」というから驚きだ。そんな浦野さんが主将として意識していることは「暗い顔をしないようにしている。部に影響を与える存在だから」と話してくれた。

高校時代から弓道部に所属していた智弓さんは、祖父が弓道をしたことから名前に弓が入っているという。真剣に活動する弓道部の姿を見て、大学での弓道部入りを決めた。現在4段の実力者でもある。

弓道には、道場内において「体配(たいはい)」と呼ばれる体の動かし方がある。入場し、構えてから矢を放つまでに、足踏み、胴造り、弓構え、打起こし、引分け、会、離れ、残身という8つの動作にわけられる。尾方先生も、弓道の基本的な部分について指導することが多い。「的中よりも美しく弾くことに重点を置いている」という熊本大弓道部。基本をしっかりと身につけた部員たちは、着実に成長していく。

最大のライバルは熊本学園大。対抗戦を行うこともある。歴史的には、全国優勝を2度果たした伝統のある熊本大弓道部。部員一丸となって、まずは九州の頂点に挑む。