エイズウイルスの‟完全駆除”へ

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これまで、複数の抗エイズ薬を用いる「多剤併用療法」により、エイズウイルス感染者の体内でウイルス増力を抑えることはできるようになったが、完全にウイルスをなくすことができなかった。これは、「リザーバー」と呼ばれる細胞の中にウイルスが潜伏するためで、このリザーバー内のウイルスを除去することが課題だった。

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「黄砂」 心筋梗塞の発症に影響

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アジア大陸の砂漠で発生した黄砂が季節風によって日本に運ばれる場合、大気汚染物質が付着してできる「黄砂曝露」の影響で呼吸器疾患やアレルギー疾患が国内で増えていることが指摘されていた。研究グループは、循環器疾患の中で急性心筋梗塞に着目。熊本急性冠症候群研究会のデータベースを使い、黄砂との関係を解析した。熊本気象台が2010年4月から2015年3月の期間に黄砂を観測した41日について調べたという。

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「バンコク事務所」開所

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注射剤→『飲み薬』に使用可

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地球規模のリーダー育成へ

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文・法・理・工学部に設置された同コースは、地域の問題を“地球規模”の視点で考えて行動できるグローバルリーダーの育成を目標に、独自の教育プログラムを実施する。当日は、担当教官よる英語の模擬授業や学生による留学成果発表(=写真)などが行われた。

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急性心筋梗塞に「治療薬」

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LCZ696は、降圧薬「バルサルタン」と臓器保護作用を示す「サクビトリル」を組み合わせた新薬。欧米では慢性心不全の治療薬として使用され、心不全や心臓死による入院を少なくすることが臨床試験で証明されている。ただし、慢性心不全の原因となる急性心筋梗塞の急性期の治療に有効かどうかは明らかになっていなかった。

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ゴキブリ ‟種子を散布”

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ギンリョクソウは5月から6月に1センチほどの果実をつけるが、種子が散布される過程はわかっていなかった。同研究グループは、熊本市内の2カ所にカメラを設置し、2年間、ギンリョクソウの観察を続けた。この結果、鳥やネズミは、ギンリョクソウの果実に興味を示さなかったが、「モリチャバネゴキブリ」は頻繁に果肉を食べていることを発見した。

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